電車内でオッサン達とシンクロした

こんにちは。会いたくなかったです。

 

千代田線 平日の朝のラッシュ、超満員電車に乗った時の話。

 

千代田線といえば、東京は勿論、都内に通う千葉県民にとっても重要なライフラインのような路線だ。

 

なので、ラッシュ時の混みようは半端じゃない。

 

どれほどかというと、朝のラッシュ時には駅ホームの各ドア位置に乗客を押し込むために、東京メトロのビブスを着たバイト達が並んでいるほどだ。

 

車通勤の多い地方民からしたら考えられない。金を払ってドアから全力で他人に押し込まれるのである。

 

なんなら、もう乗客の誰もが限界だと思っている中、最後の悪あがきで閉まる瞬間に全力タックルおじさんが乗り込もうとしてくる。

 

大抵、結局そのおじさんは乗れず、ドア付近にいた乗客は赤の他人にタックルされただけである。

 

こんなの普通の状況ならば警察のご厄介になるだろう。

 

しかし、この通勤ラッシュという状況がある程度の行動に寛大になっているというか、ある種の無法地帯と化しているのである。

 

たまに、おっさん同士で朝から殴りあっているのも見かける。

 

まさに、ストレス社会で戦う大人()の縮図かもしれない。

 

そんな無法地帯に久々に飛び込んだ時に、私はある謎の空間にいることに気づいたのだ。

 

超満員の車内で目的地まで揺られている間のことだ。

 

始発やその付近で乗っていない私は大抵の場合、ドア付近に立って乗っていることが多い。というか絶対にそうだ。

 

で、千代田線のドアの上には液晶画面が新しく数年前から付けられたのだが、様々なCMがそこから流れている。

 

私の乗る時間帯がそうなのかは謎だが、大抵その時に河北麻友子の今日のワンポイントメイク術というのが流れている。

 

これは、ほぼ99%位の確率で見かける。

 

まぁ考えてみれば、朝の行動って分単位で同じだったりするし、毎回同じ時間の電車に乗っていれば、そのCMを目撃するのも当然だ。

 

とにかく、携帯すらも弄れないほど満員の状況下では目の前のオッサンの顔を見ているわけにもいかないので、私は視線をその画面に逃がすわけだ。

 

すると、人間考えることは同じか、ふと周りを見渡すとおじさん達の全員の視線が、河北麻友子がメイクしているとこに集まっているではないか。

 

勿論、理由はわかっている。わかってはいるが、この状況、めちゃくちゃ面白い。

 

メイクなど恐らく人生で1度もしたことも、ましては今後することもないであろうオジサン達が、今日のワンポイントメイク術を一斉に見ているからだ。

 

やはり、朝のラッシュ時の電車というのは日常的でありながら非現実的な空間なのかもしれない。

 

普段、大の男がメイクの動画なんてゲイでもない限り見るわけがない。

 

たまに、視点を変えるとこういった面白さがあるんだなと気付かされた日だった。

 

あと、できれば普通車両と女性優先車両とで流すCMを変えてくれないだろうか東京メトロさん(終)